ボイストレーニング

いい声ってどんな声?声には役割がある。

「声量があるってどういうことなのですか?」という質問をよく受けます。
大きい声でしょうか? 「ハッキリ聴こえるけど、聴いていて気持ちが良いとはいえない・・」という場合があります。

良い声とは?  答えは「響きと安定感」です。身体という楽器をうまく使って発すれば「声という音の波動」は、響きの幅を増し、歌い手、話し手、聴き手、誰にとっても心地良いものになります。これが「声量のある声」です。

ボイストレーニングによって、はじめは「硬くて平らな石を叩くようで響きが抑えられていた声」が、「柔軟で豊かに響く音波」へと次第に変わっていきます。

この声で発した言葉は、生き生きと人の心を物語り、声はその本来の役割を果たします。良い声で「思いを表現できる、大切なことを人に伝えられる」ということが、私たちに自信と安心をもたらし、人とのコミュニケーションも、よりスムーズに楽しいものとなっていきます。

発声のしくみ〜響きある声の3要素

  1. 1.腹式呼吸 横隔膜を使って、肺の深いところで息をコントロールします。
  2. 2.ノドと舌の形 顎関節を使ってノドを解放し、口の中に「小さな音楽ホールのような空間」を作ります。
    舌の筋肉は、母音と子音を発音するのに必要な動きだけにして「舌癖」を無くします。
  3. 3.声帯( 開く閉じる、伸ばす縮める ) 声帯をしっかり閉じて「かすれない地声」に。声帯を開くと裏声になります。
    高い声を出す時は声帯は伸びて長くなります。

3つの要素がつながると、声に響きと安定感が生まれます。

レッスンのすすめ方

  1. 1.声診断「どうして声が出しにくいのか?」とお困りでいらっしゃる方も多いため、初めてのレッスンでは、発声のしくみと共に、皆様の発声の状態を個別にご説明させていただきます。しくみが分かった上でレッスンを始めると効率が上がります。
  2. 2.フォームを整える発声は呼吸筋、発声筋の筋肉運動、つまり一つのスポーツと言うことも出来、声の3要素の各部位に「正しいフォーム」があります。
    毎回、レッスンのはじめにはフォームを整えてからいろいろな声を出していきます。
  3. 3.目的別レッスン歌のレッスンは、ジャンルを問わずお好きな曲を選択して頂き、音程やリズムのとり方も楽しみながら身に付けます。
    スピーチ、会社のプレゼン、日常のための発声が目的の方は、CMや簡単なナレーション文を使って発音を整えていきます。
    「話すように歌う」「歌うように話す」という意識を実践に導いて参ります。

ボイトレの効果 ~心と身体の健康・介護予防~

腹式呼吸で酸素をたくさん摂り込むことになり、細胞が活性化し、血流も促されることで身体も心もスッキリします。
また、歌う・話すことで唾液がよく回ると、消化や免疫機能、お口の衛生も保つことが出来、若さと健康をキープします。
歌詞や言葉を楽しむことが、脳トレや認知症予防にもなるので「年齢を重ねても介護いらず」となるために、シニア世代の皆様にお薦めしたいのがボイストレーニングです。

ヨガと座禅(瞑想)のススメ

呼吸を深めるために「呼吸だけに集中する時間」を持つことは、とても大切です。
スポーツジムや各所で企画されているヨガクラスや、御寺での座禅(瞑想)は、是非おすすめしたいです。

ノドの調子が悪い時

風邪や花粉症でノドや鼻の中に炎症がある日は無理をせず、声帯に負担をかけないようにします。
レッスンでは高音の発声を避け、代わりに発音の部分をしっかりやります。
 「ぜんそくで、声を出すとイガイガする、咳き込む感じがする」という方は、呼吸による気道への刺激を強く感じています。腹式呼吸を思い出して、横隔膜でゆっくり吸気を誘い込み、呼吸の際の気道の刺激を減らしていきます。 このような時は、少しずつ呼吸を入れて小さな声で発声します。
咳やノドの痛みがひどい時は「沈黙療法」が一番。レッスンはお休みしてください。
振替レッスンでしっかり補いますので、安心して喉と身体を休めることを最優先にしましょう。